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蝶_ムンソヒョンXuZichun

美しいもの 滅びゆくもの : ムン・ソヒョン、徐 梓淳

25 年 4 月 5 日 - 25 年 4 月 19 日

作品は、4月9日以降オンライン でも販売いたします。

Curation Note

このたび Alpha Contemporary  は、『美しいもの 滅びゆくもの: ムン・ソヒョン、徐 梓淳』を 2025 年 4 月 5 日 より 4 月 19 日まで実施する。

ドイツの文豪ヘルマン・ヘッセ(1877-1962))は、幼年から晩年までの美しいもの,滅びゆくものの象徴である蝶との熱いかかわりを綴る散文作品「蝶について」で、以下の言葉を残した。

 

“目に見えるすべてのものは表現である。自然のものはすべて絵であり、言葉であり、色様々な象形文字である。

蝶はほかのすべての動物とは違った動物なのである。蝶は厳密には一つの動物では決してなく、一動物の最後の、最高の、最もはなやかん、そして同時に生きるために最も重要な状態なのである。

 

蝶は、それ以前の眠っている蛹、そしてその蛹以前の大喰らいの幼虫であった生きものが、婚礼をあげ、同時に子供とふやしそしてやがて死におもむく準備をした壮麗な形態なのである。

 

蝶は華麗な恋人であり、輝かしい変身者である。そして命短いものの象徴であると同時に、永遠に持続するものの象徴であり、人間にとってすべてに大昔からの魂の象徴となり、紋章として描かれる動物となったのです。“(ヘルマン・ヘッセ、蝶についてから)

 

蝶に関して、ここまで感覚的で、魅惑的に、そして分かりやすく書かれたものも無いと思われる。それで、本ステートメントでは、ヘッセの文章をそのまま引用した。

 

本展では、蝶を形容する「美しいもの 滅びゆくもの」をタイトルに、蝶をモチーフに作品制作したムン・ソヒョン(Korean b.1982) のチョガクボ作品と徐 梓淳(シュ ジチョン、Chinese b.1997)の物質は様々な抑揚を経て中立へと調整されるとのメッセージを持った油絵作品を紹介する。

 

 

ムン・ソヒョンは、韓国の伝統衣装であるハンボック(韓服)やウェイディング ドレス、日本の着物などからの端切りを再活用して、チョカクボを完成する。これは、伝統的なチョカクボの製作方法と同じである。

伝統的なチョカクボで見える抽象的なパターンと自由な構成美、洗練された色彩配置を基本にしながら、より絵画に近い作品を手掛けている。

本展で紹介する、抽象的なパターンを活かしながら具象的な表現をした蝶シリーズなどがこれに該当する。

ムンは、手縫いという労働集約的な制作を通して、一つ一つの縫いに時間を積んでいく作業を行っている。一つ一つの手縫いには、自身の今までの人生において内在してあった感性と感覚、体験が輝かしいインスピレーションとして反映されている。蝶シリーズでは、優雅な形、極彩色の羽の美しさが、細かい縫いで細分化される様々な感覚や多彩な光の破片の集まりで構成される。一つ一つの蝶の羽のパターンが、独自的な構成美とともに繊細な感性の韻律や作家自身のナラティブとして体験できる。

 

​今にもひらひらと優雅に舞いそうなムンの蝶は、人生の輝かしさと儚さを洗練された視覚言語で自分の存在の秘密を表わしてくれる。

 

ぜひ近くでムンが表現する蝶をご覧ください。

 

                                                                                                
ムン・ソヒョンは、年韓国暻園大学、繊維美術学科卒 (2005)、ソウルアートセンター(芸術の殿堂)で個展実施(新進気鋭作家公募プログラムに選定、2023)、東京 Alpha Contemporary でグループ展参加(2024)など韓国国内外にて活動を行っている。

 

 

中国大陸の腹地に位置する山々に囲まれた雲南省の出身の徐 梓淳は、生まれ育った雲南省での山々の風景を描く。音楽と記憶よりインスピレーションを得て制作を行う徐は、記憶の中に生きる人間である。過去の体験や感情に立ち返り、それらが自分自身に与える影響を観察することが、制作の土台でありきっかけである。記憶とは、徐の精神を支える有機的な存在であり、時間の流れとともに「代謝」し、形を変えながらも自分の内面に息づいている。抽象的な記憶を具象的な形で描き出し、作品として再構築することで作家自身の存在を浮かび上がらせ、「記憶」と「私」の関係を探ることが始まった。記憶がどのように「私」という人格を形成し、忘却されることはどのように新たな形を得て、別の次元に存在し続けるという世界観も、表現の中心にある。記憶の代謝による生まれた形や感情を投射することで、徐は自分自身を見つめ直し、更に深く自己と向き合う旅を続けている。

 

そして徐の作品では、音階の流れから時間の流れをくみ取る。高低を繰り返した上、「♮」(ナチュラル)に調整して行く音階のように、物質は様々な抑揚を経て中立へと調整されて行くことを雲南省の山々と水平線を『メタファー』に表現される。これは、人生のメタファーとしての「蝶」からも読み取れるものである。

 

徐 梓淳は、中国雲南省生まれ、神奈川県在住。2015 年広西芸術学院に入学し、2019 年広西芸術学院美術研究科油画専攻第一研究室を卒業。2023 年多摩美術大学大学院美術研究科油画専攻に卒業。東京芸術劇場 kenzan 2022 に入選 (2022)、神奈川県美術展に入選 (2023)、東京芸術劇場 kenzan 2023 に再び入選 (2023)、FACE 2024 入選 (2024)。PANTA RHEI (MJK GALLERY, 2024)、迷込展(anotherprojecttokyo, 2024)、SUPERCROWDS/ SUPERCOMMUNITY (TANK Shanghai 2024) 、Dear Poem(Appha Contemporary, 2024)のグループ展に参加した。

 

 

■展示概要

□会期|2025 年 4 月 5 日(土)~ 4 月 19 日(土)

□時間|水曜―土曜 12 時―18 時 (日、月、祝日:休廊) 

 ※火曜:前日 18 時までにメールでの事前予約制

 ※4月8日 14-16時は、作家(ムン・ソヒョン)在廊で予約不要です。

 

□住所|〒108-0073 東京都港区三田2-13-9 三田東門ビル8F

□入場|無料

□お問い合わせ|infoalphacontemporary@gmail.com

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■オープニング レセプション(アーティスト在廊)

□日程|2025 年 4 月 5 日(土)12 ~ 18時

□予約無しにどなたでもご参加いただけます。ご都合のよいお時間にお越しください。

 

■Alpha Contemporary(アルファ コンテンポラリー)

Alpha Contemporaryは、同時代性に関しての独自な視点を持って、国内外のアーティストを日本と世界に向けて紹介する。また、作品のみならず、作品の製作プロセスやコンセプト、アーティストからのメッセージをグロバールアートシーンへ共有する。

Works

번개오색나비_イリスコムラサキ_문서현

Seo-hyeon Moon, Had Sewing, 2025

Xu Zichun

Xu Zichun, Oil on Canvas, 2023

ALPHA CONTEMPORARY

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 Alpha Contemporary  is a Tokyo based contemporary art gallery developing its original curatorial practice and sharing artworks' conceptual exploration of process, concept and message with global art scene.

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