他人の風景 vol2.
岡村 一輝
菊池 玲生
ナム・チョイ
24 年 7 月 13 日 - 24 年 7 月 31 日
#gallery de ピクニック -アーティストとランチ イベント- :7/27 12pm
『他人の風景vol.2』の参加アーティスト岡村 一輝、菊池 玲生、ナム・チョイと一緒に、ランチ時間にお弁当を食べながら、アーティストとざっくばらんにお話をするお時間を設けました。
ピクニックのように、ギャラリーの床に絨毯を敷いて、丸く座って、少人数で和気藹藹とお話をいただくお時間になります。サンドイッチ、お握りなど簡単なお弁当を各自お持ちください。
Curation Note
このたび Alpha Contemporary は、『他人の風景:岡村 一輝、菊池 玲生、ナム・チョイ vol.2』を実施する。
「失われた時を求めて」の著者、マルセル・プルースト(フランス, 1871-1922)は、次のように述べている。
“私達が芸術家に本当に感謝すべきことは、私達が見ることができる一つの世界を超えて、この世に存在する芸術家の数ほど、多くの世界を見させてくれることである。”
芸術家にとって芸術とは、対象への絶えずの対面、理解と葛藤を得て、独自の新しい座標を発見して行く旅程を独創的な形式で表現したものだと言える。
この旅程は、マルセル プルーストが言ったように、芸術家の数ほど存在する。彼らが絶えずに視覚言語化してくみ上げてくれる埋もれていた風景が、芸術作品を通して、具体的なものとして私達の人生に登場するようになる。
芸術家達は、日常的もしくは社会的習慣と観念を違う角度で見て、再解釈し、既存のシステムから絶えず自由になることを試みる。私達は、彼らの作品を通して、彼らが具体化させた“他人のもう一つの風景”を経験できる。まさに芸術家の存在がマルセル プルーストが言ったように、ありがたい存在になる。
今回の展示は、注目される日韓新人気鋭アーティストによる彼らが属した社会、時代、もしくは極私的なことに対して、彼らがどう認識し、彼らの独自的な視覚言語でどう表現しているかを経験できる展示である。
日本と韓国という他文化の同世代アーティストの多様な視点と彼らの作品への座標設計を通して、アーティストが観ている“もう一つの風景”を経験してほしい。
また、“他人の風景”を通して我達の風景がより鮮明に浮き上がり、豊かなものになってほしい。
岡村 一輝(Japanese b.1983) は、日常や旅先で描いたドローイングを手がかりとして、明るい色彩と浮遊感のある絵画を手掛ける。
実在する風景から出発したものが、どこか遠くの向こう側で浮遊し、漂っているような不思議な雰囲気の画面に転換される。同時に、このイリュージョンのような風景がなぜか親近感のある風景としても感じられる。
岡村の作品を通して、現実とイリュージョンの混じり合う境界を体験できる。この体験は、私達の日常に新しい視点を与える他、あらゆる困難において創造性を持って問題解決していくヒントを与えてくれる。
東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業(2007年)、東京芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻修了(2009年)。Independent Tokyo 2022 にてタグボート特別賞、小山登美夫審査員特別賞を受賞した(2022年)。
菊池 玲生(Japanese b.1993)は、作品や物を認知、鑑賞することへの問いをかける。
現代は、イメージが氾濫している時代である。毎日のように数多くのイメージが生成され、そのイメージは、私達の生活を支配している。菊池は、数多く生成され、複製され、配布されるイメージへの捉え方、見る行為について、考えさせる。
菊池は、既存の絵画を複数回、同じレファレンスを使用して描く。原作に充実に複製されたイメージを様々な切り取りでオーバーラップさせ、意図的に編集の痕跡を画面上に残している。その複製された「本物ではない」イメージを見て、「本物と同一の図像」として見ることを鑑賞者に再認識させる。
今回紹介する作品は、浮世絵の作品を引用しているが、複数点複製できる版画がオリジナルという仕掛けも興味深い。菊池が参照するイメージは、デジタル画面上でのイメージになり、幾重にも虚と実の曖昧な対比が仕掛けられている。菊池の作品は、虚と実の危うい境界で生きている私達の認知に対して考えさせてくれる。
東京芸術大学絵画科日本画専攻入学(2014年)、東京芸術大学大学院美術研究科後期博士課程修了、博士号取得(2023年)。多数の個展とグループ展を開催した。作品は東京芸術大学大学美術館に所蔵されている。
ナム・チョイ(Korean b.1978)は、日本を拠点に韓国と日本を行き来しながら旺盛な作品活動を行っている。自然や住む所などの周辺環境の変化に反応する人の心的風景を描いている。植物、大地、火、水などの自然物に自身の日々の孤立感、不安、未知の世界への憧れ、強い肯定感などの心象風景を、原色を中心としたユニックな色彩と繊細で且つダイナミックな画面構成で描いている。
不安の中でもそれを楽しむ心が存在するように、多様な感情が入り交ざった奥深い画面を作るために、軽快な蛍光色に補色や異質な色彩を入れて多層的な心理画面を作る。
大学院で版画を専攻した経験から、色を混ぜずに原色を重ねることで空間の奥行を作る。絵具が重なる時や滲む時に生まれる物質感、相反する色彩の対比、光沢の有無、透明度など多層的な絵画表現で繰り広げられるナム・チョイの心の風景をご覧いただきたい。
国立ソウル大学美術大学西洋画科(2001年、韓国ソウル)を卒業し、国立ソウル大学大学院西洋画科版画(2004年、韓国ソウル)を専攻卒業した。
韓国国内外で20回の個展(2024年6月現在)や数回のグループ展に参加した。韓国の新人作家の登竜門であるソンウン美術大賞(2007年、韓国ソウル)に入選する他、ダンウォンアートコンペ、入選(2002年、韓国アンサン)、 第20回新世界コンペ、特選(2002年、韓国ソウル)、第23回韓国版画家協会コンペ、特選(2003年、韓国ソウル)、第14回美術世界大賞、特選、アンサン (2003年、韓国アンサン)、International Print Triennial-Krakow 2003、入選、ポーランド(2003年、ポーランド)、ギャラリーNV作家コンペ大賞(2007年、韓国ソウル)を受賞した。
同世代の日韓アーティスト三人による、それぞれの風景をぜひお楽しみください。
■展示概要
□会期|2024 年 7 月 13 日(土)~7 月 31 日(水)
□時間|水曜―土曜 12 時―18 時 (日、月、祝日:休廊) ※火曜:前日 18 時までにメールでの事前予約制
□住所|〒108-0073 東京都港区三田2-13-9 三田東門ビル8F
□入場|無料
□お問い合わせ|infoalphacontemporary@gmail.com
■Alpha Contemporary(アルファ コンテンポラリー)
Alpha Contemporaryは、同時代性に関しての独自な視点を持って、国内外のアーティストを日本と世界に向けて紹介する。また、作品のみならず、作品の製作プロセスやコンセプト、アーティストからのメッセージをグロバールアートシーンへ共有する。
Works
Reception & Workshop
1.『オープニング レセプション』へご招待いたします。
どなたでも事前登録無しに、お越しいただけます。12-4時の間、好きなお時間にお越しください。
当日は、浴衣姿のスタッフもおります。浴衣姿でのご訪問、歓迎いたします。
□日時|7月13日 12 - 4 pm
□参加アーティスト|岡村 一輝、玲生 菊池、ナム・チョイ
□お問い合わせ
infoaphacontemporary@gmail.com
2. カラフル味噌玉作り collaborated by salon simpure
□日時|2024 年 7 月 13 日(土)12- 4 pm
※ご参加できるお時間帯にご自由にご参加いただけます。
□所要時間|20 分
□参加費|3300 円
□お問い合わせ|infoalphacontemporary@gmail.com
□会場| Alpha Contemporary
東京都港区三田2-13-9 三田東門ビル8F
(慶應大学三田キャンパス 東門の隣です)
●都営大江戸線 赤羽橋駅 赤羽橋口から徒歩 10分
●JR 山手線 田町駅 三田口(西口)から徒歩 5分
●都営三田線 三田駅 A10 口から徒歩 5分
●都営浅草線 三田駅 A3 口から徒歩 5分
※カメラマン 高桑 ちかによる SNS プロフィール写真撮影(ご希望者)
現代アートギャラリーで特別なSNS プロフィール写真をお撮りいただけます。
□日時|2024 年 7 月 13 日(土)12- 4 pm
□参加費|3,500 円